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vol.14 全国新酒鑑評会 (2)
梅錦は昭和9年に全国第一位になっています。この時、現会長の山川由一郎は滝野川の国税庁醸造試験場で研修を受けていたそうです。研究室の山田正一室長から言われ、国元から出品酒を送ってもらいましたが、全部割れていてお酒は口にすることができなかったそうです。梅錦の第一位は篠田次郎著「日本の酒づくり」中公新著 (1981) に載っています。原典は山田正一「酒造」醗酵協会 (昭和24年) からの引用です。
「日本の酒づくり」の表を見ますと出品点数が書かれていて、新酒鑑評会より全国品評会の出品点数が多く、メジャーであったことが伺えます。親父から聞いていたことが本当だったのでちょっとがっかりしたのを覚えています。
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全国品評会
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全国新酒鑑評会
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山田 正一「酒造 (清酒篇) 」 |
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この表は、秋山裕一・熊谷千恵子「吟醸酒のはなし」技法堂出版 (1987) にも載っています。こちらには昭和9年から10年分に1位のお酒の成分分析表が載っています。 |
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鑑評会で良い結果を出すことがブランド評価を高めることになるため、鑑評会の価値は今より大きかったようです。そのため鑑評会で良い成績を取るための吟醸酒造りや出品の技術が研究されました。醸造試験所や鑑定官室の先生をはじめ、蔵元や杜氏などがそれぞれの立場で研究し、科学的、合理的な方法から民間療法のようなものまで色々あります。 鑑評会で良い成績を取るためには酒質が‘きれい’な事が必要条件です。大正の末期に活性炭素が使われるようになり、次第に使用量が増え、ついには一升瓶の底をぬいた型のろ過器に炭素をいっぱいにし、お酒がぽとぽと落ちるほどのろ過をしたそうです。また、酸をイオン交換樹脂で抜いた時代もあり、酸度別審査の方法が取り入れられるきっかけになりました。さらには、もろみから蒸発する香りを低温で捕集した凝縮液を添加するヤコマンと呼ばれる方法も使われました。これらの技術は出品技術といわれ、邪道だと考えられる面もあります。 一方、昭和の初めに導入された堅型精米機はお米の精米歩合を高くする結果になりましたが、日本酒の品質向上に大きな貢献をしたように思います。吟醸造りのノウハウは酒造好適米の山田錦で蓄積されています。全国新酒鑑評会の金賞をとるには山田錦を30%に精米することが必要条件だと言われています。優れた酵母が開発されたため、今は酸が出品規定の最低基準である1.0以上であるかどうかを心配し、出品酒に炭素は全く使用しなくなりました。ヤコマンも使わなくなりました。邪道だと言われ、科学分析でチェックされてきた項目が不要になることは、それだけ酒造りが進歩したと考えて良いと思います。 酵母の新品種開発は細胞融合という技術が使われるようになった結果だと思います。この技術から生まれた酵母の代謝産物の量に規定がかかる時がくるかどうかは興味深いところです。これからも様々な技術が鑑評会で試されるのだと思います。これからの技術が美味しくてリーズナブルな市販酒造りに反映することができるよう、酒造りに励みたいと思います。 当社は昭和40年以来、今回で24回目の金賞を受賞しました。毎年難しくなる金賞ですが、新製品開発の有力な研究の場としての吟醸酒造りに努力したいと思います。 |
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