日本酒の深い味わいは、杜氏の繊細な感性と技がつくる。

酒づくりは、同じ原料米、同じ仕込水、同じ道具を使っても、気候や風土、また湿度、つくり方などによってまったく味が変わるほど、繊細な作業です。なかでも酒の味の決定権を持つ杜氏には、たいへん微妙な風味の調節が求められます。そのために、手で触れ、鼻で嗅ぎ、口で噛んで見分けるなど、長年培ってきた経験と、とぎ澄まされた五感を十分に活用することが重要です。時代が進み、ハイテクノロジーの世の中になっても、人間の生きたカンが酒づくりには欠かせません。杜氏の決して妥協しない姿勢と長年磨かれた感性、それこそが名酒と呼ばれる日本酒を生み出します。


人間の感性を十分に生かすための「酒づくりの道具化」。

梅錦では、昭和63年、原料処理工場を皮切りに、全ての設備の改善を行うなど、酒づくりの近代化を進めています。それはただ効率化を図るということではありません。杜氏をはじめ、酒づくりに欠かせない人間の感性を十分に酒づくりに生かしたい、そう考えるからです。伝統に磨かれた技を残しながら、ムダな労力の削減を図る。またそれが、品質と味を向上させることにつながる。いわば、人間の労力を機械に置き換えるということ。梅錦ではこれを『酒づくりの道具化』と呼んでいます。たとえば、蒸米をスコップで振り起こす作業。約700キロの蒸し器をひっくりかえすのに、フォークリフトを使えば、その分人間の労力を別の作業に注ぎ込むことができます。単純な労力を機械化し人間の感性を十分に生かすことで、手づくりでしかつくれない旨さを守る。梅錦の『酒づくりの道具化』には、そんな意味が込められています。


梅錦は、こうしてつくられる。

梅錦では、山田錦や玉栄、八反錦、雄町などの原料米と、井戸水を仕込水として使用し、酒づくりが始まります。まず精米、洗米、そして蒸し米を行います。蒸しあがった米の水分を一定化させるのは、いちばんむずかしい作業。杜氏の磨きあげた技と感性がここで生かされます。次に蒸し米に種麹を散布し、温度と湿度を微妙に調節し、酵母の拡大培養へ。これを「酒母づくり」といいます。そして大型タンク内で、酒母に麹米・蒸し米・水を加えて醪(もろみ)づくりを行い、上槽<搾り>へ。さらに、火入れ、貯蔵、調合と続き、梅錦ができあがります。


純米酒、本醸造酒、普通酒。それぞれに広がる梅錦の味わい。

日本酒の製造法については、大きく分けて純米酒と本醸造、そして普通酒の3つの製法がありますが、梅錦では5つの種類に分けることができます。まず、『純米酒』は、米100%の日本酒。主にコクのあるタイプで、じっくりと日本酒ならではの旨味が味わえる酒です。『本醸造酒』は、白米・米麹に醸造アルコールを添加したもの。華やかな香りと、輝くような色つやが特徴です。そして、精米歩合60%以下の白米・米麹・水を原料としたものを『純米吟醸酒』。さらに、醸造アルコールを加えたものを『本醸造吟醸酒』と呼んでいます。これらは、華やかな香りとなめらかな口あたりを持つものが多く、日本酒の中でも、高品位酒として位置づけられています。そして、醸造用アルコール、醸造用糖類を加えたものが、『普通酒』です。梅錦では、「栄冠」「栄照」「秀逸」などがこれにあたります。


甘辛から濃淡まで、タイプによって違う味わいがある。

日本酒の味は、香りが高い・低い、味が濃醇・若々しいなどの違いにより、主に4つに分けることができます。 まず、『熟成タイプ』。香りが高く深い味わいがあり、古酒が代表的です。そして『コクのあるタイプ』。旨味のある甘味を持ち、純米酒に多くみられます。『香りの高いタイプ』は、吟醸酒のように香り高く、軽やかな口あたりが楽しめます。『軽快でなめらかなタイプ』は、みずみずしいきれいな味が特徴であり、生酒が代表的です。


ラベルに込められた高品質。

ラベルは、日本酒のもうひとつの顔。梅錦では、通常のラベル表示以外に、より酒の特徴がわかりやすいように、商品の背面に品質表示ラベルを貼っています。清酒の比重を表した日本酒度、甘辛・濃淡の目安となる酸度、玄米を精米した程度を示す精米歩合、製造方法、味わいの位置づけなども表示しています。酒を選ぶ時の目安のひとつとしてご利用ください。